初めて子犬を迎えた方へ
2022.04.01
子犬を飼い始めたら
子犬を飼い始めたら、まずは簡単に健康チェックをしてみましょう。
- 耳が赤くなっている
- なんだか耳がクサイ
- 目やにが出ている
- 瞳がにごっている
- 鼻水が出ている
- 歯茎が赤い
- お腹に赤みが出ている
- しこりを発見した
- 毛が生えていない場所がある
- 元気がない
- ご飯を食べない
- 吐いてしまう
- おしっこが出ない
「ワンちゃんが環境に慣れていない」という原因も考えられますが、病気にかかっているかもしれません。
このような症状があってもなくても、なるべく早く動物病院へ連れていきましょう。
犬に多い病気
子犬はまだ免疫力が弱く、病気にかかりやすいので注意が必要です。
症状が軽いものから命に関わるものまで、さまざまな病気が考えられます。
ここではワンちゃんに多い病気を紹介します。
子犬に多い病気
- 犬ジステンパー:くしゃみや咳が出て、熱が出ます。他の犬や野生動物との接触で、ジステンパーウィルスに感染しています。ワクチン接種によって予防できます。
- ケンネルコフ:呼吸が苦しそうで、乾いた咳がよく出ます。ワクチン接種によって予防できます。
- 犬フィラリア症:蚊(フィラリア)から感染する病気です。心臓や血管の中に寄生するため、命を脅かします。予防薬で駆除できれば心配ありません。
- 低血糖症:血液中の血糖値が下がりすぎて、意識を失ったり、けいれんしたりします。最悪の場合死に至ります。空腹や冷えによって起こるため、食事を小分けにして与え、室温を調整することで予防できます。
オス犬に多い病気
- 停留睾丸:睾丸が下がらずお腹に留まっている状態です。腫瘍になりやすいため、子犬を迎えたら睾丸の位置を早めに確認してもらいましょう。
- 会陰ヘルニア:去勢していない中年以降のワンちゃんが発症します。肛門近くの筋肉が弱まり、臓器が出てしまう病気です。
- 包皮炎:包皮の先から黄色がかった膿が出ます。陰部を気にして舐めてしまい、おしっこの度に痛みを感じます。去勢手術で分泌物を減らせます。
メス犬に多い病気
- 子宮蓄膿症:子宮に膿がたまっている状態です。お腹が膨らみ、触ると嫌がります。進行するとショック症状や急性腎不全・腹膜炎などを引き起こします。
- 膣炎:膣が炎症を起こしています。お尻あたりを舐め、発酵食品のようなニオイがします。初めて発情期を迎えて発症するケースが多いです。
子犬の診断・検査内容
子犬の病気を早期発見するために健康診断を行います。
主な検査は以下の通りです。
初めての来院時
まずはしっかりと一般身体検査(触診・視診・聴診)を行います。
動物種・年齢・既往歴などをお話しください。
ワンちゃんの状態を見て、詳しい検査が必要かどうか判断します。
問題がなくても1年に1回など定期的な健康診断を受けましょう。
便検査
便検査では、うんちから寄生虫などの感染症がないかを調べます。
親指ほどの大きさのうんちを持ってきてください。
地面でしたうんちをビニール袋でつかむか、ペットシーツをそのままビニール袋に入れてください。
尿検査
おしっこから糖尿病・腎臓病・尿路疾患などの異常を確認できます。
血液検査
血液検査では脱水・貧血・炎症・糖尿病などさまざまな症状を発見できます。
若い犬でも、症状が出ていなくても、先天性疾患(生まれつき持っている病気)があるかもしれません。
子犬の健康管理
「元気に長生きしてほしい」子犬を迎えた家族はこのように願っていると思います。
幼いワンちゃんは体調を崩しやすく、予防がとても重要。
ここでは子犬の健康管理として行いたい3つのことを紹介します。
ワクチン接種
子犬は最初の1年で3回の混合ワクチン接種が必要です。
混合ワクチンで予防できる主な感染症はこちら。
- 犬ジステンパー
- 犬伝染性肝炎
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬パラインフルエンザ
- 犬レプトスピラ感染症
ワクチン接種の費用は動物病院によって異なりますが、2種混合で3,000円〜5,000円程度です。
感染してワンちゃんがつらくなる前に、必ずワクチン接種を受けさせましょう。
フィラリア予防
犬フィラリア症はきちんと投薬すれば防げる病気です。
フィラリア検査を行い、蚊が発生する時期(5月から10月頃)に予防を始めましょう。
飲み薬やスポットタイプ・チュアブル(おやつ)があり、ワンちゃんの性格や体質に合わせて選べます。
また、動物病院では1回で1年間予防できる注射を用意している場合もあります。
去勢手術・避妊手術
かわいいワンちゃんのことを考えると、手術を受けさせるべきなのか悩んでしまいますよね。
しかし若いうちから避妊・去勢手術を行うことで、特定の病気の発生率を抑えられます。
オスの場合、精巣腫瘍・前立腺肥大・肛門周囲腺腫・会陰ヘルニアなどの病気を予防できます。
メスの場合、子宮蓄膿症・卵巣腫瘍・乳腺腫瘍・子宮水腫などの病気を予防できます。
また、望まない妊娠・出産を防ぐ意味もあります。
メス犬は生後6ヶ月から10ヶ月で初めての発情を迎え、そのフェロモンを嗅いでオス犬が興奮します。
大切なワンちゃんの将来を考えて、去勢手術・避妊手術について早いうちに決断しましょう。
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<2019年1月更新>