ワンちゃんネコちゃんに、こんな症状はありませんか?
このような症状に当てはまる場合、愛犬・愛猫が泌尿器系の病気にかかっているかもしれません。
- おしっこの回数が増えた、減った
- 水をたくさん飲む
- おしっこに血が混じる
- 尿のニオイが強い
- お腹をさわると痛がる
- 食欲がない
- トイレの時間が長い
- トイレのときに鳴くようになった
- お腹をよく舐めるようになった
- トイレの砂がキラキラ光って見える
- 毛のツヤが悪くなった
- 嘔吐するようになった
- お口が臭う
腎臓や膀胱の働きが悪くなっている可能性が考えられます。
毎日のトイレがつらいのはかわいそうですよね。
不調を訴えられないワンちゃんネコちゃんのために、ささいなことでも相談してください。
泌尿器系の病気について
泌尿器とはおしっこに関する器官です。
- 腎臓:おしっこを作る
- 尿管:膀胱に尿を送る
- 膀胱:尿を貯める
- 尿道:おしっこを外に出す
特に腎臓は一度壊れてしまうと再生が難しい場所です。
中には緊急を要する病気もあるため、異常を感じたら早めに病院へ相談しましょう。
泌尿器のトラブルはかわいいペットの寿命を縮めてしまいます。
ここではワンちゃん・ネコちゃんそれぞれに多い泌尿器系の病気を紹介します。
ワンちゃんに多い泌尿器系の病気
- 膀胱炎:膀胱に炎症が起こり、何度もトイレに行くようになります(頻尿)。また、おしっこに血が混じったり、色が残ったりする場合もあります。
- 尿石症(尿路結石症):泌尿器の中に石のような塊ができます。腹痛や血尿がよく見られます。尿石が詰まると急性腎不全を引き起こし、命にかかわることも。
- 尿道閉塞:何らかの原因で尿道が詰まっています。おしっこが出ないので、膀胱から尿管を逆流し、腎臓に流れ込んでしまいます。急性の腎不全・尿毒症を起こします。
ネコちゃんに多い泌尿器系の病気
- 猫下部尿路疾患(FLUTD):ネコちゃんの泌尿器に関する異常や疾患のこと。トイレに行ってもほんの少ししかおしっこが出ず、またトイレに行こうとします。
- 慢性腎不全:たくさん水を飲み、よくおしっこをするようになります。食欲が減り、体重が落ちます。10歳以上のネコちゃんによく見られます。
- 尿石症(尿路結石症):泌尿器の中に石のような塊ができます。腹痛や血尿がよく見られます。尿石が詰まると急性腎不全を引き起こし、命にかかわることも。
泌尿器科の診断・検査内容
泌尿器系の病気で行われる主な検査は以下の通りです。
初めての来院時
まずはしっかりと問診・一般身体検査を行います。
動物種・年齢・既往歴などをお話しください。
「どのような症状がいつから見られるか」「1日何回ぐらいおしっこするか」も判断に役立つ情報です。
状態を大まかに把握し、ワンちゃん・ネコちゃんに必要な検査を決定します。
尿検査
膀胱炎が疑われる場合には尿検査が行われます。
おしっこの色や結石の有無・出血の有無のほか、尿中の成分を検出します。
血液検査
血液検査によって脱水や貧血の程度を確認します。
症状によっては全身麻酔下での処置が必要となります。
血液検査にて麻酔・手術に耐えられるかを判断します。
画像検査
画像検査では膀胱や腎臓の内部を確認します。
レントゲン検査や超音波(エコー)検査・CT検査によって得られる情報はとても多く、泌尿器系の診断がより正確に行えます。
膀胱鏡検査
尿検査や画像検査で診断できない場合は膀胱鏡検査が使われます。
膀胱の中に直接細いカメラを入れて、結石やポリープを観察します。
お腹を切らずに確認できるため、ワンちゃん・ネコちゃんの負担が少ないです。
泌尿器科の治療
泌尿器系の病気には内科治療と外科治療が行われます。
ワンちゃん・ネコちゃんの状況や年齢・飼い主さんの予算や考え方を踏まえた上で決定します。
発見が早ければ早いほど治療効果が期待できるため、気になることがあれば早めに病院にご相談ください。
※当院で実施することが困難な治療では他の動物病院を紹介する場合があります。
内科治療
軽い症状であればお薬や食事療法で経過観察します。
例えば急性膀胱炎の場合は抗生物質(抗菌薬)を2週間ほど飲ませてください。
膀胱から細菌が居なくなれば治療は終了です。
尿石症でも石が小さいなら、お薬で溶かせます。
内服を続けて、症状が落ち着けば食事療法へと切り替えていきます。
泌尿器系の病気は普段のケアがとても大切。
水分を好きなときに好きなだけ取れるよう、家のあちこちに給水ポイントを設けてください。
もともと水をあまり飲まない子にはウェットフードを与えて、自然と水分を摂れるようにしましょう。
例え症状がなくなったとしても、高齢のワンちゃん・ネコちゃんは泌尿器系の再発率が高いので要注意。
定期的に検査を受けることをおすすめします。
外科治療
泌尿器に石ができている場合は手術で取り除きます。
お腹を切り、結石を摘出し、その後元通りに縫うのため、数日〜1週間程度の入院が必要です。
なお、オスのワンちゃん・ネコちゃんは尿道が狭く、またすぐに結石が詰まるケースが考えられます。
新しい尿の出口(尿道口)を作る手術という選択肢もあります。
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<2019年1月更新>