消化器科
2022.04.01
ワンちゃんネコちゃんに、こんな症状はありませんか?
このような症状に当てはまる場合、愛犬・愛猫が消化器系の病気にかかっているかもしれません。
- 食欲がない
- ご飯を吐いてしまう
- 吐きそうなのにヨダレしか出ていない
- 吐いてぐったりとしている
- 背中を丸めるようにうずくまる
- 下痢が続く
- 血便が出た
- 体重が減った
- 元気がない
- 寝ている時間が長い
- お腹が張っている
- 呼吸が苦しそう
- 尿の色が濃い
消化器系の病気では「なんとなく元気がない」といったあいまいな症状が出る場合があります。
また、ワンちゃん・ネコちゃんはよく吐いてしまうものですから、「いつものことか」と思うかもしれません。
しかし消化器系の種類は多く、大きな病気が潜んでいるかもしれません。
不調を訴えられないワンちゃんネコちゃんのために、ささいなことでも相談してください。
消化器系の病気について
消化器とはご飯が口に入ってから排泄されるまでの器官のことで、具体的には胃・腸・食道などを指します。
消化器系の病気はストレスや食べすぎ・環境の変化といったさまざまな原因で起こります。
症状も軽度なものから命に関わるものまであるため、異変に気付いたら早めに病院へ相談しましょう。
ここではワンちゃん・ネコちゃんそれぞれに多い消化器系の病気を紹介します。
ワンちゃんに多い消化器系の病気
- 膵炎:膵臓から出た液によって炎症が起こっています。お腹の痛みが強く、背中を丸めるような姿勢を取ります。重症の場合は呼吸困難やショック症状を起こします。
- 炎症性腸疾患(IBD):腸が炎症しており、ご飯を食べずに痩せていきます。進行するとお腹に水が溜まることもあります。
- 胆泥症:肝臓で作られた胆汁が泥っぽくなってしまい、胆嚢に溜まっている状態です。重症の場合は黄疸が起こり、腹膜炎を引き起こします。
- 急性胃腸炎:消化管の炎症や感染です。原因は「人間用の食べ物やいつもと違うものを食べた」・「異物を飲み込んだ」・「内部寄生虫」などです。
ネコちゃんに多い消化器系の病気
- 大腸炎:何度もトイレに行き、便に粘液や血液が混じることがあります。5歳以下のネコちゃんによく見られます。
- 過敏性腸症候群:腸が慢性炎症になっている可能性があります。精神的なストレスが原因とされています。
- 小腸吸収不良:小腸が炎症しているため、影響を吸収できません。下痢や体重減少・食欲不振の症状が出ます。
- 急性胃腸炎:消化管の炎症や感染です。原因は「人間用の食べ物やいつもと違うものを食べた」・「異物を飲み込んだ」・「内部寄生虫」などです。
消化器科の診断・検査内容
消化器科の病気で行われる主な検査は以下の通りです。
初めての来院時
まずはしっかりと問診・一般身体検査を行います。
動物種・年齢・既往歴などをお話しください。
「食欲不振・嘔吐・下痢などの症状がいつから始まったのか」も重要な情報です。
状態を大まかに把握し、ワンちゃん・ネコちゃんに必要な検査を決定します。
便検査
便検査を行い、消化状態や出血の有無を確認します。
他にも炎症や細菌感染・寄生虫などのチェックも可能です。
画像検査
画像検査によってお腹の中を確認します。
「臓器の大きさや形に異常はないか」「異物を飲み込んでいないか」などが分かります。
レントゲン検査や超音波(エコー)検査・CT検査を使い分け、場合によってはバリウムを飲ませます。
血液検査
肝機能に関連する数値の変化を確認します。
重度では栄養不足や貧血になることもあるため、血液検査で確認します。
内視鏡検査
内視鏡検査では胃や腸を直接観察します。
お腹を切らずに異物を取り出したりポロリープを切除したりできます。
入院も必要ないため、ワンちゃん・ネコちゃんに負担をかけません。
消化器科の治療
消化器系の病気はお薬による治療(内科治療)が中心です。
ワンちゃん・ネコちゃんの状況や年齢・飼い主さんの予算や考え方を踏まえた上で決定します。
発見が早ければ早いほど治療効果が期待できるため、気になることがあれば早めに病院にご相談ください。
※当院で実施することが困難な治療では他の動物病院を紹介する場合があります。
内科治療
消化器系の病気は嘔吐や下痢の症状が出やすく、お薬を用いて治療します。
- 胃酸の分泌を抑える薬
- 胃や腸の働きを良くする薬
- 胃や腸の細菌を殺す薬(抗生物質)
- 吐き気を抑える薬
- お腹の調子を整える薬
- 排便を促す薬(下剤)
他にもサプリメントを追加したり、食事内容を変えたりして、症状が改善するかを観察します。
症状が落ち着けば少しずつお薬の量を減らしていきます。
外科治療
ワンちゃん・ネコちゃんは食べてはいけないものを誤って飲み込んでしまうことがあります。
例えば小さなおもちゃやヒモ・ビニールがよく見られます。
胃の中に留まっていると嘔吐を引き起こし、長時間詰まったままだと血流不全を起こし、ショック状態に陥ることも…。
できるかぎり早く異物を取り除くことが重要ですが、場所や異物の種類によって方法が異なります。
内視鏡で摘出できない場合はお腹を切り、異物を取り出します。
通常、異物がなくなれば急速に症状が改善していきます。
予約診療を開始致します。当分の間は、受付順での診療も行いますが、ご予約の方の診療が優先となります。予めご了承下さい。詳しくは御問い合わせ下さい。
トリミングは予約制です。予めご予約下さい。
<2019年1月更新>