子猫を飼い始めたら
2022.04.01
子猫を飼い始めたら
子猫を飼い始めたら、まずは簡単に健康チェックをしてみましょう。
- 耳をよくかく
- 涙が出ている
- 目が赤い
- 歯茎が赤い
- よだれを垂らす
- 鼻水が出ている
- くしゃみをする
- おなかが張っている
- しこりのようなものがある
- 皮膚が赤くなっている
- 毛が生えていない部分がある
- 足をひきずっている
- 同じ場所ばかりなめる
- ご飯を食べない
ネコちゃんは痛みや不快感をひとりで我慢しやすく、飼い主が気付いた頃には進行しているというケースが少なくありません。
このような症状があってもなくても、子猫を迎えたらなるべく早く動物病院へ連れていきましょう。
猫に多い病気
子猫は大人の猫に比べると免疫力が弱いです。
病気にかかりやすい上に、いったん病気になるとすぐに衰弱してしまいます。
症状が軽いものから命に関わるものまで、さまざまな病気が考えられます。
ここではネコちゃんに多い病気を紹介します。
子猫に多い病気
- 猫ウイルス性鼻気管炎:元気や食欲がなくなり、くしゃみをします。鼻水や目やにが出て、悪化すると結膜炎を起こすこともあります。ワクチン接種で予防できます。
- 猫カリシウイルス感染症:クシャミや目やになど風邪のような症状が出ます。ワクチン接種で予防できます。
- 猫免疫不全ウイルス感染症:口内炎や歯肉炎になり、リンパ節が腫れます。母猫が感染していると子猫も感染していることがあります。「猫エイズウイルス感染症」とも呼ばれます。
- 猫白血病ウイルス感染症:熱が出てあまり動かず、成長が遅くなります。感染した猫の余命は2〜4年と言われています。
- 猫伝染性腹膜炎(FIP):嘔吐や下痢が続き、お腹や胸に水が貯まります。進行が早く、死亡率がとても高いです。
- 猫クラミジア感染症:目が赤くなり、腫れ上がります。黄色い目やにが出て、目が開かなくなることも。ワクチン接種で予防できます。
オス猫に多い病気
- 停留睾丸:睾丸が下がらずお腹に留まっている状態です。腫瘍になりやすいため、子猫を迎えたら睾丸の位置を早めに確認してもらいましょう。
- 精巣腫瘍:精巣が腫瘍となり、お腹が膨れて食欲や元気がなくなります。去勢手術によって予防できます。
- 尿道閉塞:尿道がふさがってしまい、おしっこができない状態です。何回もトイレに行くのにおしっこがあまり出なかったり、おしっこに血が混じったりします。
メス猫に多い病気
- 乳腺癌:いわゆる”乳がん”です。腫瘍が小さいうちに見つけられれば生存期間は延びます。しかし2cmを超えると他の臓器に転移してしまい、死亡率が高くなります。
- 子宮蓄膿症:子宮に膿がたまっている状態です。お腹が膨らみ、触ると嫌がります。進行するとショック症状や急性腎不全・腹膜炎などを引き起こします。避妊手術で予防できます。
子猫の診断・検査内容
子猫の病気を早期発見するために健康診断を行います。
主な検査は以下の通りです。
初めての来院時
まずはしっかりと一般身体検査(触診・視診・聴診)を行います。
動物種・年齢・既往歴などをお話しください。
ネコちゃんの状態を見て、詳しい検査が必要かどうか判断します。
問題がなくても1年に1回など定期的な健康診断を受けましょう。
便検査
便検査では、うんちから寄生虫などの感染症がないかを調べます。
親指ほどの大きさのうんちを持ってきてください。
トイレでしたものをそのまま拾います。
猫砂がついていても構いませんが、乾燥すると正常な検査ができないため、できるだけ取り除いてください。
尿検査
おしっこから糖尿病・腎臓病・尿路疾患などの異常を確認できます。
猫は泌尿器系の病気にかかりやすいため、重要な検査です。
血液検査
血液検査では脱水・貧血・炎症・糖尿病などさまざまな症状を発見できます。
若い猫でも、症状が出ていなくても、先天性疾患(生まれつき持っている病気)があるかもしれません。
子猫の健康管理
子猫を迎えたら、できるだけ元気で長生きして欲しいですよね。
1歳未満のネコちゃんはは体調を崩しやすく、予防がとても重要。
ここでは子猫の健康管理として行いたいことを紹介します。
ワクチン接種
ネコちゃんを感染症から守るのがワクチンです。
混合ワクチンで予防できる主な感染症はこちら。
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症
- 猫クラミジア感染症
室内飼いなら3種混合、外に出かけるなら4種混合か5種混合をおすすめします。
ワクチン接種の費用は動物病院によって異なりますが、3種混合で3,000円〜5,000円程度です。
母猫や兄弟猫・一緒に住む猫の健康状態によっても必要なワクチンが異なります。
獣医さんに相談し、接種の種類を決めましょう。
フィラリア予防
フィラリア症はフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が心臓に寄生し、心臓病を引き起こします。
基本的には犬がかかる病気ですが、猫にも可能性はあります。
呼吸困難や咳・嘔吐・食欲不振などの症状が出て、進行すると命に関わります。
とても怖いフィラリア症ですが、お薬で予防できます。
予防薬を月に1回投与して、フィラリアの侵入を防ぎましょう。
去勢手術・避妊手術
「元気なネコちゃんに手術をさせるのはかわいそう」と思うかもしれません。
しかし若いうちに避妊・去勢手術を行うことで、特定の病気の発生率を抑えられます。
オスの場合、前立腺の病気や精巣の腫瘍を予防できます。
メスの場合、乳がんや子宮の病気を予防できます。
ネコちゃんの将来を考えて、去勢手術・避妊手術について早いうちに決断しましょう。
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<2019年1月更新>